水虫薬一筋30年

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大源製薬 > みずむしばなし >その25.飲み薬での水虫治療

その25.飲み薬での水虫治療

「爪水虫にかかったら皮膚科のお医者さまへ」というTVコマーシャル
をご覧になった方も多いと思います。

お医者さまで処方される薬名を直接コマーシャルすることは薬事法で禁止
されているので、あのような遠まわしな表現になるのですね。

皮膚科ではひどい角質増殖型水虫や爪水虫の場合は、検査をして
飲み薬を処方してくださいます。

飲み薬が爪に効くことを不思議に思われる方もいらっしゃいます。
口→胃→腸へ 食べ物と一緒に運ばれた薬は、主に小腸から吸収され
肝臓、心臓を通過して体内に張り巡らされた血管の血流にのって
爪に届きます。
爪には血管がありませんが、爪の下の爪床(そうしょう)や爪を作って
いる爪母(そうぼ)から薬の有効成分が爪に浸透します。

現在、皮膚科で処方される爪水虫の飲み薬は3種類あります。
1959年に認可された【グリセオフルビン】、1997年に認可の
【テルビナフィン】、1999年認可の【イトラコナゾール】です。

【テルビナフィン】が認可されるまでの40年近くは、水虫の飲み薬と
いうと【グリセオフルビン】だけでした。

しかし、この長い間使用されてきた【グリセオフルビン】には白癬菌を
死滅させる効果はなく、菌の発育を抑える作用しかありません。
ですので、毎日3回 1年〜2年も飲み続けなければ効果が現れない
経口薬です。
また、頭痛、腹痛、下痢、などの副作用もあるので治療を中断して
しまう方が多いです。

実は【グリセオフルビン】が使用されるまでは爪水虫は治らない病気と
されていました。皮膚科では、ひどい爪水虫の場合、爪を剥がし
外用薬を塗布するという、ちょっと怖い治療方法もありました。

そして、

1997年に【テルビナフィン】、続いて【イトラコナゾール】が処方
できるようになって爪水虫の治療は画期的に変わりました。

爪水虫が軽症か重症かによってのみ続ける期間が違いますが
どちらも白癬菌を死滅させる作用があります。

【テルビナフィン】は毎日1回を3ヶ月〜6ヶ月のみ続けると効果が
あります。短期療法といいます。

【イトラコナゾール】はパルス療法といい、1日1回の内服を1週間
続けて、その後3週間は飲まずにお休みします。これを3ヶ月間続け
ます。薬を飲んでいない間も爪には薬効が爪に残っているので効果が
ありますし副作用も少ないです。

飲み薬はお医者さまの処方を守って、きちんと治療すれば完治する率は
非常に高いです。

どの経口薬も、治療前に血液検査をして、肝機能に障害がないかを
検査します。治療中も定期的に検査を行い副作用の有無を確認
しながらお薬を出してくださいます。

では、気になる副作用についてですが、

【グリセオフルビン】で一番多いのが胃腸障害です。頭痛や眠気などの
神経症状を起こすこともあります。
稀に日光にあたるとブツブツがでたり痒くなったする光線過敏症
や肝機能障害もあります。

【テルビナフィン】も胃腸障害が主なものですが、肝機能異常や
血球異常などかあります。昨年、服用後2ヶ月の男性が肝障害で死亡
したことを厚生労働省が発表し、他にも2名の死亡例が確認されたことは
記憶に新しいです。定期的な肝機能検査を怠っていたそうです。

【イトラコナゾール】の副作用は比較的少なく肝機能障害は50人に
1人、胃腸障害も100人に3人みられる程度です。
ただ、【イトラコナゾール】は併用できない経口薬がとても多く、高血
圧、糖尿病、精神疾患など、他の病気で服用している薬がある場合は必ず
お医者さまに伝えてください。

何れも妊娠中、授乳中は投与できません。【グリセオフルビン】は、服用
を中止した後も女性は1ヶ月、男性は6ヶ月間避妊しなければなりません。

どのようなお薬でも同じですが、処方された用法、容量をきちんと守り、
必ず定期的に受診し検査をしてもらってください。

不安を抱えての治療は辛いですよね。処方された飲み薬については、納得
するまでお医者さまに聞かれることをおすすめします。



爪水虫に似た爪甲剥離症や、靴の圧迫によって爪が濁ることもあります。
爪白癬かどうかは自己判断は避けてまず皮膚科のお医者さまでの
受診をおすすめします。